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アキレス腱炎はよく見られる、痛みのある疾患です

アキレス腱は脚の膝下部分の後ろ側からかかとにかけてある筋肉に付帯しています。アキレス腱炎は通常ランニングをよくする人やバレエダンサー、運動選手たちにによく見られますが、必ずしもそれが必要条件とは限りません。ほとんど運動などしない人にも起こり得ます。

腱の酷使がアキレス腱炎や多くのほかの腱の不調(たとえばテニス肘や足底筋膜炎)の原因であるとのいわゆる「科学的」な定説はあります。確かに酷使はその「要因」であるかもしれませんが、私の考えではそれが実際の「原因」ではないように思います。アキレス腱炎の場合、「痛み」はほぼ例外なく主要な症状ですので、痛みのある部分には炎症があるだろうと考えるのが普通でしょう。

ところが、1995年にスウェーデンの研究者、アストロムおよびその他によって「慢性アキレス腱障害。外科的そして組織病理学的所見の調査」として163名の患者のアキレス腱の生体組織検査が行われました。

興味深いことに彼らはこの検査結果の重要な特徴として、「炎症を起こしている細胞は見られないこと、治癒反応が乏しいこと」を報告しています。これらの所見は個体の免疫反応が低下している兆候であり、患者さんの免疫機能が抑制されていることを示唆しています。

したがって、炎症が原因ではないとすれば、アキレス腱の痛みやその機能の損失が起こる別の原因を探す必要があります。私は自己免疫反応(人体の免疫システムが自身の正常な組織を攻撃し、損傷を与えること)がこの病態の根底にあり、それが運動により悪化するのではないかと考えています。

なぜ、このようなことが起きるのでしょう?

慢性的な身体的、心理的なストレスは血中を循環する自然なステロイドのレベルを増加させることが知られています。これが身体の免疫機能を著しく抑制し、ひいては自己免疫反応を引き起こすことにつながります。身体のどの組織もこの攻撃の対象となり得ます。しかし、どうやら特定の部位、たとえば甲状腺や肛門の粘膜(切れ痔)、足底筋膜、鼠径部(恥骨骨炎)、肘(テニス肘)、アキレス腱といったところに現れやすい傾向があるようです。

私がこのように考えるに至った経緯は?

1995年以来、私は前述のような(その他にもありますが)、それまであらゆる身体的治療に全く反応しなかった長期にわたる各種の症状に苦しんできた患者さんたちが、ウィートグラスエキスを使うことで、時には劇的に回復するのを数多く見てきました。ウィートグラスは強力な免疫調整剤として働き、おそらくP物質と呼ばれる痛みの感覚をつかさどる痛覚の伝達物質などのホルモンを抑制することによって痛みを取り除くことができるのではないかと考えます。また、ウィートグラスは腱に影響を及ぼしている自己免疫反応をも変化させているのかもしれません。

ひとつの適例として、両足の足底筋膜炎に20年間悩まされていた中年女性がウィートグラスを使って一晩で痛みから解放されたことがありました。そんなことがあり得るのかと思われるかもしれませんが、これは本当に私の患者さんの一人に起こったことです。他にも多数の例があります。何らかの理由でアキレス腱炎については、他のタイプの腱炎に比べて回復には時間がかかる傾向にありますが、あきらめずに続けることができれば、他のどんな治療法が効かなかった場合でも、しばしばウィートグラスが効果を発揮することがあるのです。

Dr. Chris Reynolds. M.B.,B.S.

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