スポーツにおける鼠径部(脚の付け根)の痛み 大腿内転筋腱の炎症

径部痛はスポーツ選手によく見られる症状で、 パフォーマンスそのものにはもちろん、精神面や勝利に向けての意欲にも影響を与えます。しかし、治療の方法はあります。

一般に恥骨骨炎(Osteitis Pubis または  OPとも呼ばれる)の痛みは大腿内転筋が、鼠径部奥の恥骨へ入り込む部分(大腿内転筋腱)の炎症が原因です。大腿内転筋は大腿部の内側にあり、足を体の正 中線へ向かって引き寄せる働きをします。(図参照)OPの場合、レントゲンによりこの部位に変化が見られることもありますが、この所見の有意性については 意見が分かれています。痛みは運動中に起こることもあれば、休養している間に起こることもあり、患部には圧痛があります。

この症状はスポーツ医学の分野でもあまり理解されておらず、医師や理学療法士、トレイナーをはじめとするスポーツ関連の医療従事者にとっては気が重い問題 です。なぜなら、手術以外にほとんど治療法がないからです。しかし、手術を行うにはブランク期間は避けられず、しかもこの手術を行っても必ずしもよくなる わけではありません。
冷やす、暖める、休息または運動療法、マッ サージ、抗炎症剤の使用など、実にさまざまな治療法がトレイナーや、理学療法士により行われていますが、効果が あることは少なく、慢性化していくケースが多いようです。しかしながら、私は今までウィートグラスで患部をマッサージする治療を試みて、効果が見られな かったことはありません。

以下にご紹介するのは最近あった実際の症例で、今回のニュースレターを書くきっかけともなりました。

40歳男性(職業:騎手)が10歳の頃から慢性的に続いてきた鼠径部痛がひどくなったということで受診しました。私のところへ来るまでにすでに何人かの医 師にかかっており、そのうちの一人の外科医は、痛みは睾丸から来ているのではないかと疑い、陰膿内部の検査まで行いましたが、異常は見つかりませんでし た。私が診察したところ、痛みにより脚の動きはかなり制限されており、内転筋の挿入部に激しい圧痛が見られました。典型的なOPの症状です。

私は患部に少量のスーパーバームを使用してマッサージしました。すると、その10分後には脚を自由に動かすことができるようになり、実に30年ぶりに痛み を感じることなく歩くことができるようになりました。1ヵ月後の再診の際にも痛みはありませんでした。

信じられないような話だとお思いになるかもしれませんが、これは本当にあった症例です。そして、この患者さんは、私が何年にもわたって治療にたずさわり、 回復した多くの患者さんのうちの一人に過ぎません。

ウィートグラスがどのようにOPに効くのでしょうか?ウィートグラスには強力な抗炎症作用があり、これが痛みの軽減に一役買っていると思われますが、それ にしても、このように迅速に効果が見られるということは、OPの原因そのものも機械的な要因(外的要因、疲労など)だけではないということを示唆している と思います。他にも原因があると考えざるを得ません。私はOPの痛みには重要な自己免疫要素が関与しており、免疫調整作用を持つウィートグラスにはこの要 素を部分的に、あるいは全体を排除する効果を持つのではないかと考えています。

Dr. Chris Reynolds M.B.,B.S.

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