耳の痛みは単に患者さん(通常幼児に起こることが多い。)にとっての痛みというだけではなく、むしろ両親、兄弟と言った周囲の人々、また救急室やたとえば午前3時に往診で呼び出された医師といった、何かしらの処置を施すことを迫られる立場の人間にとっての悩みとも言えます。
我々医師ができる事は何でしょうか。実は、大したことはできないのです。でも、それは必ずしも真実だとも言えないのです。
パラセタモールなどの鎮痛剤、感染から中耳を保護するための抗生物質、中耳の膿を排出させるために耳管の通りを良くする抗ヒスタミン剤。それ以外にどうすれば良いのでしょう?我々医師は痛みが落ち着き、親や子供たちが多少は眠りにつけることを願いながら、子供を親に返します。
しかし、別のもっと効果的な治療方法があります。実例とともにそれを説明しましょう。
その子は熱っぽく、泣きながら手を耳に当てているかわいそうな6歳の男の子でした。彼は三日間痛みに悩まされていました。診察してみると、出血性の水ぶくれのために発赤した鼓膜が見られました。いろいろなバクテリアやウイルスによって引き起こされる典型的な水疱性鼓膜炎にかかっていたのです。(写真参照。大きな水疱といくつかの小さな水疱が鼓膜にあります。見るからに痛そうです!)
私は数滴のウィートグラスのエキスを彼の耳に入れ、カルテに記入しながら彼のお母さんと話をしていました。10分ほどして、私はその子に診察台から降りるように言いました。しかし、返事がありません。彼は眠ってしまっていたのです!そして、目が覚めたときにはもう、耳の痛みはありませんでした。翌日、鼓膜にあった水疱もなくなり、炎症もほぼおさまっていました。
現在の製薬業界には耳の痛みに対してほとんどこれといった特効薬がありません。しかし、ウィートグラスなら鼓膜炎や中耳炎のような中耳の炎症の痛みに対して素晴らしい働きを見せてくれます。なぜこのような効果があるのでしょうか?それは、おそらく成長因子の活性化によるものと思われます。多くのほかの生物活性の中にあって、成長因子は発赤や発熱、痛みや機能損失などが組み合わさった炎症を軽減するのです。ウィートグラスは、この患者さんの炎症を起こした鼓膜に驚くほどよく効きました。
Dr. Chris Reynolds. M.B.,B.S.